Thursday, June 27, 2013

My interview with Toyo Keizai Magazine on Cambodia's economy, culture and mentality.

カンボジア人に学ぶ、「恩返し」の作法

同じ仏教徒でも、これだけ違う!


各国の人々との付き合い方の秘訣を探る「グローバル接待の作法」。今回、取り上げるのはカ ンボジア。地雷、内戦というイメージが強い国だが、1998年以降は情勢は安定。急速な経済成長によって中産階級が勃興し、来年にはイオンが巨大モールを オープン予定であるなど、ビジネス面でも注目度が増している。
その一方、仏教徒としての慣習を守る生活、特に「上下関係」や「恩返し」についての考え方には、日本人としてハッとするところがある。カンボジア大使館一等書記官のシム・ヴィリャさんに聞いた。




――カンボジアというと、アンコールワットなどの観光と並んで、やはり内戦のイメージが強くあります。まずは、カンボジアの現状から教えていただけますか?

ヴィリャさん:私はビジネスが専門ではないので、一般的なお話になるということをご理解ください。またカンボジアではクメール人が90%、中国系が1%で、それぞれ考え方は違います。私はクメール人の立場からお話しします。

ご存じのとおり、カンボジアには内戦があり、平和になったのは1998年以降です。1991年にパリ和平調停がありましたが、クメールのゲリラは継 続していた。1998年にフンセン首相のWin-win政策を行って、クメール人の軍隊を消滅させ国の軍と統一し、そこから1998年以降に発展したので す。
この15年間は経済に集中して成長してきました。2004〜2008年までは毎年2ケタ成長、2009年は世界不況で速度を落としたものの、昨年は7.3%の成長率。世界銀行によれば2015〜2018年までこの成長率を維持できるだろうと言われています。

日本企業がここ2年で倍増

――これだけ成長が著しいと、日本企業の進出も増えていそうですね。

ヴィリャさん:1 人当たりのGDPが1000ドルを超えました。そうするとLower-middle income statusに変わります。そこで中流階級の購買力がターゲットになり、イオンが来年オープンする予定です。在カンボジア日本商工会の会員は2010年 50社でしたが、2012年には100社となりました。製造業が多いのですが、サービス業、観光業も増えてきています。

しかしながら、過去にタイムロスがあったので、まだまだ若い国なのです。今、成長をしつつありますが、まだ100%投資家の方に応えられなかった り、不備がある場合もあります。これから改善していきますので、戦争が終わってまだ15年ということを理解していただきたいです。

――15年間で生活はどのくらい変わりましたか?

ヴィリャさん:2000 年ごろにはプノンペンからアンコールワットに行くまでに半日かかりました。それが今では3〜4時間、費用も10ドルぐらいで行くことができます。以前は 「人生に1度アンコールワットに行きたい、でもアンコールワットに行きたいと願うと、大体かなわない」という神話があるほど難しかった。それが、今では1 日で往復できるのです。

私は2000年に留学生として日本に来て、留学生協会で活動をしていました。毎年チャリティ活動として募金を募り、文房具をカンボジアの小学校にあ げていたのです。その小学校はプノンペンから40キロほど離れたところで、以前はゲリラの拠点であり、危険でとても行けない場所でしたが、今では自由に行 けます。われわれにとって、そこに自由に行けるというのは感動的なことなのです。